サイクルきそちしき
まず、基本的なダメージレースによるサイクルは
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こちらを見てください、おそらく一番手っ取り早いと思われます
ところが、実際はこれだけがサイクル戦ではないわけで
さて、次の三匹対三匹のサイクル戦を考えてみよう
ここで、奥側のプレイヤーは「ポリゴン2を何とかすれば、ボーマンダで残り2体を倒して勝てるな・・・」などと考えてしまうことが多々ある。
・・・本当にそれでいいの?
ここで、
ボーマンダ@ナイト ようきAS いかく→スカイスキン
すてみタックル じしん りゅうのまい はねやすめ
対して
ポリゴン2@しんかのきせき ずぶといHB ダウンロード
れいとうビーム トライアタック じこさいせい シャドーボール
このような構成として先程の考え方が何故間違っているかを述べましょう。
答えは明白
「ボーマンダへの繰り出し以外でポリゴン2が削れる局面が存在しない」からです。
ポリゴン2に繰り出すポケモンに対して、受け先が存在するためポリゴン2は居座る必要がないのでポリゴン2にボーマンダ以外のポケモンの技が当たる局面は存在しません。
以上の事からボーマンダはサイクルを回すには必要であるが、サイクルを消耗させることができないポケモンと言えます。
別の言い方をすると、ボーマンダを何回繰り出すことができたとしても、奥側は勝つことはできません。
では、この場合奥側で相手のサイクルにダメージを与えることができるポケモンはなんでしょうか。
言うまでもなく、ボーマンダは受け切られているのでアウトです。
となると、残ったカプ・レヒレとナットレイになります。
ここで、ナットレイの技を考えてみましょう。
まず、
ジャイロボール やどりぎのたね タネマシンガン まもる
という構成の場合、ヒードランに対する蓄積は宿り木の種しかありません。
これではヒードランを削ることは疎か、フシギバナであっても悠々と受けられてしまいます。
ここで、タネマシンガンをはたきおとすに変更してみます。
その場合、ヒードランに対してやどりぎのタネとはたきおとすの二種で蓄積をかけることができるようになりました。
これで、相手のサイクルに対して与えるダメージが多少マシになりました。
ボーマンダではこのサイクルを崩せないので、他のポケモンにサイクルの破壊を任せるしかないので、こういった変更が必要となってきます。
とはいえ、これではまだ勝てる可能性は高いとは言えません。
フシギバナ一匹でカプ・レヒレとナットレイ両方に繰り出しが可能であるからです。
更に、ナットレイはフシギバナに負担をかけられる回数が限られています。
ジャイロボールのPPは8しかないので・・・
次にカプ・レヒレの技構成を見てみます。
カプ・レヒレ@たべのこし
なみのり ムーンフォース 瞑想 身代わり
これと
カプ・レヒレ@オボンのみ
ハイドロポンプ ムーンフォース しぜんのいかり ちょうはつ
これで比較してみましょう。
勝ち目があるのは当然ながら下の構成です。
上の構成では、よほどの激運を引いたとしてもフシギバナを削りきれません。
さて、サイクルに対するダメージを与える手段はなんとか獲得しました。
では、何とかして奥側の構築で手前側を崩そうとしてみましょう。
ここで、
この三匹のうち、最も相手のサイクルに対してダメージを与えられるポケモンはどれかといえば、カプ・レヒレが該当します。
つまり、奥側の立ち回りで最も大事なのはカプ・レヒレに出来る限り多くの有利対面を用意することですね。
具体的に言うと、カプ・レヒレがフシギバナのこうごうせいのPPを枯らすことが勝ち筋なので、
釣り交換を駆使してでもカプ・レヒレをヒードランに8回対面させる必要があります。
これでもかなり絶望的なので、さらになんとか改良する方法を考えましょう。
まあ言うまでもなく、ナットレイでステルスロックを撒くことです。
交換戦をする以上、ステルスロックがあればフシギバナの消耗が大幅に加速することになり、大分勝つ可能性が上がります。
ここまでの流れを見て、サイクルについて再度考えてみましょう。
このPTに対して、奥側が崩すためのポケモンは
当然、フシギバナです。
理由は明白で、フシギバナが一番突破できる可能性が高いからです。
最初にポリゴン2をなんとかすれば~等と言う意見を紹介しましたが、何がおかしいかわかっていただけたかと思います。
さて、こうなるとボーマンダの役割もまた違ってきます。
ポリゴン2を倒してボーマンダで全抜きを狙う立ち回りの場合、ボーマンダは最後の全抜きをするためにHPを温存して、使う必要があります。
一方、カプ・レヒレで相手のサイクルを消耗させる立ち回りの場合、ボーマンダは最終的に生きている必要すらありません。
このポケモンの役割は、カプ・レヒレの行動回数を増やすためにフシギバナに控えに下がってもらう事が仕事になります。
とまあ、これがサイクルにおいて我々が無意識でやっている立ち回りの行為の本質です。
サイクルにおいてのポケモンの評価は、相手のサイクルを消耗させる能力と、相手のサイクルへの消耗にどれだけ抵抗できるか=サイクルを回し続ける能力の2つが基準になります。
例えば受けループはサイクルを回し続けることに特化した構築なわけです。
んでもって、そのサイクルを消耗させるための踏み台とする対面
こういう対面を使い古された言語で「起点」と呼んでいるのです。
つまり、サイクル戦とは、相手のサイクルを消耗させるための対面を用意して相手のサイクルへダメージを与え、”サイクルの体力”が削りきられるまでの消耗戦のことをそう呼ぶのです。
起点とソレを利用した崩しから更に考えてみましょう
という二匹で考えてみましょう。
お互いの対面が
からスタートします。
1ターン目
奥側:カプ・コケコに交代
手前側:れいとうビーム、カプ・コケコが半分削れる
2ターン目
奥側:10万ボルト
手前側:ランドロスに交代
3ターン目
奥側:ボーマンダに交代
手前側:とんぼがえり、ゲッコウガに交代
この時点でカプ・コケコが繰り出せなくなったので、奥側の負けです。
このサイクルにおいては、手前側が相手のサイクルを削れるゲッコウガを2回動かすことが成功したのに対して、奥側は相手のサイクルを削れるボーマンダを一回も動かすことができませんでした。
先の話に戻るのならば、ゲッコウガという崩しの起点になるポケモンに対する“穴”であるボーマンダをゲッコウガに2回対面させてしまったのが奥側の敗因です。
では、ここで過去に戻ってやり直してみましょう
2ターン目
カプ・コケコの選択した技を10万ボルトからとんぼがえりに変更します。
結果として、このような対面ができあがりました。
この時点で、ボーマンダがすてみタックルをすれば、間違いなく奥側の勝利になるでしょう。
手前側のランドロスが、ボーマンダを通すための“穴”として利用された事がわかると思います。
今回はとんぼがえりでしたが、いわゆる“釣り”がどういった目的で使われるのかもわかると思います。
決定力のあるポケモンを動かす局面を無理やり作り上げるために、フィッシングをするわけです。
以上のようにサイクルにおいて勝つのに重要なのは、崩す山ではなく、崩す打点を呼ぶサイクルの穴、サイクルをくずされる起点をどう隠しつつ、相手のサイクルの穴をどう呼び寄せるかというところにあるということは、試行回数とサイクルに対するダメージ蓄積ということを考えると、わかりやすいかと思います。
古典的なポケモンことわざですと、受けループはラッキーから崩す、というアレですね。